#5『助け船?』

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「ヤダ、私、今日は当番じゃないから行かない」 「なんだよ、いいじゃないか、ケチ!」 「じゃあ、私が代わってって言ったら、すぐに代わってくれるの?」 「そ、それは……」  彼が言葉に詰まった時、奈月は急に手を挙げた。 「はい! 私が一緒に行きます!」  なんで奈月? と思った瞬間、市ノ瀬くんはそれに飛びついた。 「うお! マジで? 助かるー」  彼は片手を挙げると、奈月とハイタッチ。 ちょっと待って、このまま全部、奈月に変わりをさせるつもりじゃないでしょうね。 「分かったよ、今回だけね、私も行く」 「やったー! 小山やっさしー、サンキュ!」  私には予想もしていなかった、満面の笑顔が返ってきた。 私は怒ってる、怒ってるのに、この人は全く分かってない。 それもまたムカツク。
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