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#6『掃除当番』
放課後になって、結局3人で公園に向かった。
何なんだろう、この組み合わせ、意味が分かんない。
奈月はうれしそうに市ノ瀬くんとしゃべっていて、私はこの二人の後ろをついて歩いている。
なにやってんだろ、私、バカみたい、変なの。
公園についてからも、この状況に変わりはなくて、掃除にきているのか、遊びにきているのか、ふざけているのか、それすら分かんないような二人を横目に、私は一人掃除を続けている。
「なぁ小山、お前もそう思うだろ?」
急にそんなことを振られても、さっきまでの二人の会話なんて、聞いてないんだから、分かるわけないじゃない。奈月の手が、市ノ瀬くんの肩に触れた。
「ねぇ、あのさぁ、それで……」
彼女がそのまま、彼に何かを言おうとした時だった。
「あっれ? 梨愛?」
「やっほー、隼人! お手伝いに来てあげたよ!」
「あれ? お前って、生徒会総務だったっけ?」
「ひっどーい! 何回も言ったじゃない、まだ覚えてないのぉ?」
突然現れた梨愛に、奈月はぺこりと頭を下げた。
「市ノ瀬くんの、お友達?」
「小学校に入る前からの、幼なじみなんだぁ」
梨愛は、奈月に向かってにっこりと笑った。
「5組の梨愛です! よろしくね!」
「お前、今日当番だった?」
「んー、隼人が当番になってたからぁ、別の人に代わってもらったー」
梨愛はちょっとうつむいて、目をそらして、小さな声で可愛らしく地面を掃く。
私はここについてきた理由が、ますます分からなくなってきて、本当にもう帰りたい。
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