#7『進捗監視・報告係』

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本部テントは、生徒会と司会進行役の放送部、記録・撮影係の映画部が、合同でテントに入っている。 立木先輩は、放送部との打ち合わせをしていた。 どうしよう、ここで忙しそうな立木先輩に、話しかけるわけにもいかないな……。 「あ、定時報告?」 後ろから?C水さんの声がして、振り返った。プリントを見せながら、進捗状況を説明する。 この人と話しをする時は、どんな内容でも凄く緊張する。ちょっとでもスキを見せたり、間違いや失敗を彼女に指摘されてされたら、一生自分が自分に腹を立ててそうだ。 「ゆかり、ちょっといい?」 大きな影がさして、その報告を中断させたのは、上川先輩だった。 「大玉転がしの玉、空気が抜けまくってぺこぺこ、アレ、そのままだと使えねーよ」  ?C水さんは立ち上がり、上川先輩に寄り添うようにして立つ。彼女は彼の話を簡単に聞いてから、手招きで立木先輩を呼んだ。 ?C水さんを中心にして、上川先輩と立木先輩が話し合っている。ふいに立木先輩が何かを思い出したようで、その場を離れていった。 上川先輩は悠々とテントの屋根の骨組みに手をかけていて、その腕のすぐ真下に、彼女はすっぽりと収まっている。     
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