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その話を翌日、奈月にしたらめちゃくちゃ笑われた。
「だから、部活入っとけばよかったのに、今からでも、文化部か何かに入ったら?」
「今さら? こんな当番表とかもらった後で?」
私がため息をつくと、奈月はまた笑った。
「しかも志保、初日に入ってるし」
一緒に当番に入っているのは、知らない人っぽい。そんな話しをしている間に、あっという間に放課後になってしまった。
私はほうきとちりとりを持って校内を歩いている。これで学校の名前の入った生徒会の腕章をつけてなかったら、完全に掃除のおばさんだな。周囲はこんなにも、部活勢の元気な声に溢れているのに。
正門の前に出て、ふと足を止めた。正門左手奥のグラウンドでは、サッカー部が活動している。私はそこのフェンスに手をかけて、何となく中をのぞき込んだ。
結構部員数が多いな、これで全員が集まってるのかな、いま走ってるのは1年生?
学年によって、練習メニューとか分かれてるのかな?
「なにのぞいてんの? エッロ」
振り返ったら、市ノ瀬くんがいた。
「のぞいてません! 見てただけ!」
「それをのぞいてたって言うんでしょ」
彼は腕組みをして、私を見下ろす。
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