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「朝から元気だねぇ。何かいいことあった?」
直さんが眠そうな声を出しながら現れた。
「あの子、何考えてんの? 家の中を裸で歩き回ろうとしてたんですけど」
「下は履いてた」
引き戸が開かれて、アルドが出てくる。上半身をバスタオルでくるんでいて、ポンチョを着ているように見えた。アルドは居間の方に歩いて行こうとした。私は昨日のようにアルドの目の前に立って道を塞いだ。
「下は履いてたかもしれないけど、上は着てなかったでしょ? 一緒に住むんだからそれくらいは気を遣ってよ」
「邪魔」
アルドは私なんて眼中にないようだった。それだけ言うとアルドは私を躱して、居間に戻っていった。
「もぉ、何なのアイツ」
「いや、本当はいい奴なんだよ。責任感もあるし、ぶっきらぼうだけど優しいところもあるんだぜ」
「そんな風には見えないけど」
「じゃあ、取材してみたら?」
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