プロット

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4章  退屈な授業を終えた放課後、翔斗は一樹に再度協力したいと申し出、一樹はそれを受けいれた。二人はバーへ向かっていたが、バーの近くの路地裏で二人の少女に遭遇する。一人は「ユニオン」のメンバーである着物を着た幼い少女で、対峙しているのは、一樹には見慣れたドール派、「サンディカ」に所属する女子高生だった。幼女は刀、女子高生はナイフを持って応戦していた。どうなっているのか、と困惑する翔斗をよそに、一樹はいつもの事よ、と言って参戦しようとした。しかし、一樹が入る前に、アレグロがどこからかやってきて、二人の腕を掴んだ。喧嘩を止められてもなお二人は互いを睨んでいたが、やがて女子高生がふいと顔を逸らし、アレグロの手を振り払うとどこかへ走り去った。いつものことってどういうことだ、と尋ねた翔斗に、一樹は何も答えなかった。代わりにアレグロが困った顔で口を開き、親ドール派と親人間派は仲が悪くて、会えばどこでも喧嘩を繰り広げるのだ、と。超能力を持った者が多いうえ、半裏社会だからよっぽどのことがないと警察も介入してこない。よって、仲裁は中立派の仕事となっていた。無理だと思うが、もう喧嘩するなよ、と言ってアレグロは去って行った。一樹と翔斗に幼女も加えて三人はバーの扉を潜った。道中、翔斗は親し気に幼女に話しかけたものの、人見知りなのか彼女からは一言こんにちは、と返ってきただけだった。
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