プロット

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世界観  2XXX年。国がなくなり、地球が一体化した時代。地球の人口は減少する一方だったが、ある時科学者たちが「ドール」と呼ばれる存在を創り上げた。「ドール」は、進化した人工知能と人間の体の一部―主に脳や精子である―から創られた、まさに知能レベルが高い人間と言える存在だった。彼らは感情を持ち、人間としての身体機能や内臓を持ち、生死を知った。数十年後には、科学者たちは彼らをさらに進化させ、「理想の恋人」として売り出した。もはや「ドール」は人間と遜色ない存在となり、あっさりと社会へ溶け込んだ。「ドール」と人間の子はみるみるうちに増え、自然と社会は高機能な「ドール」に合わせる方向へと向かっていた。  しかし、世の中全員が納得したわけではなかった。当然、初めは人間に近いものを「創り出す」ことに反発感を覚えた人間はにいた。それから時が流れ、「ドール」の血が当たり前に流れるようになった数百年後も、それは変わらなかった。そして、それは「ドール」も同じだった。すっかりと自我を持った彼らは、「ドール」の血が入っていない人間を下に見るようになり、幾度か争いが勃発したが、そもそも純粋な人間の数はもう非常に少ないため争いはいつも長く続かなかった。そして、そんな争いの中で、互いの対抗意識からか、人間、「ドール」共に「超能力」を持つ者が稀に現れ始めていた。やがて争いは小規模化し、日常の諍い程度になる。そしてその中心は、「組合」を作った「超能力」を持った者たちだった。「組合」はそれぞれ初めに組合が作られた土地にちなみ、親人間派は「ユニオン」、親ドール派は「サンディカ」、中立派は「ゲヴェルクシャフト」と呼ばれるようになった。現在、「親人間派」と「親ドール派」は会えば喧嘩を始め、「中立派」が仲裁するのが日常茶飯事となっていた。
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