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あらすじ
のどかな空気に包まれたぬいぐるみ達の王国、賑やかな時間はあっても、争い事とは皆無で皆にこやかに過ごしていた。
王直属の『担い手』と、王国の秘宝がこの国に新たな住人を産み出していた。
ある晩、継ぎ接ぎだらけの黒いぬいぐるみ達が王国を襲撃する。
殺害された住人と、奪われた秘宝と担い手。
秘宝と担い手が無ければ、修復することも新たな住人を産み出すことも出来ない。
奪い返すにしても、争うことを知らない住人達では到底不可能だった。
そこで王は、禁忌の製法を用いて戦い奪う者を製造する。
やわらかい綿の変わりに鉄の骨を、ふさふさした布の変わりに木の板を、糸で繋ぐ変わりに熱で溶かし固め、それはできた。
愛くるしさの欠片もなく、何を感じているかわからない木でできた顔、ヒョヒョロの見た目は住人達に初めて嫌悪感を産み出させた。
口元から漏れる音が、カカカカと鳴っているのでカカと名付けられたそれは、奪還を開始する。
螺旋構造体の最上部に位置する王国より、下ること一層。
継ぎ接ぎゴリラが率いる猿達の集団を撃破、『針』と『針の担い手』を救い出す。
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