翼のない天使達の誘惑

あらすじ

【あらすじ】（800字程度）
やや捻くれた性格の中学３年生・波島燈矢（ハシマトウヤ）には、他の人には隠している特別な力がある。それは「明晰夢を毎日見る事が出来る力」、つまり「自分が夢を見ている時にそれが夢であると毎日明確に認識する事ができ、ある程度好きなように展開出来る力」だ。その力を活かし日々の夢での生活を楽しんでいる羽島の身に、ある日とんでもないことが起こる。夢を見ている時に、彼のお気に入りの美少女恋愛ゲームである「翼のない天使達の誘惑」の中に入り込む事ができ、しかも毎日それを続けて見られるようになったのだ。他に言えば確実に羨まれるようなその力に喜ぶ波島だが、そうやってずっと喜んでいるわけにはいかなかった。夢と現実の区別が付かなくなってしまいそうになり混乱すること、やっとの事で夢を見なくなったと思いきや今度は一つ年下の従姉妹である矢上茉莉耶（ヤカミマリヤ）がその夢を見るようになってしまったこと、夢の中で登場するヒロインであるフレイア=グレイスの悩みを解決するために奔走することなど、次々に襲い掛かる「夢の問題」に、波島は立ち向かう。夢から抜け出せたと思いきや今度はゲームの世界に転生し別人として生きていく羽目になるなど難題も襲いかかる中、何とか全ての問題を解決……とは至らなかったが、現実に戻り穏やかな人生を歩き出す波島。結局夢の中でのヒロインであるフレイアを救うことは出来なかったものの、現実のヒロインである茉莉耶とはいい感じになり、「夢やゲームに憧れていたが、現実の方が良い」と最後はそう強く思って物語は終わる。