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「能書きはもういい」
微かに自嘲気な笑みをもらし
征司は僕の足を開かせた。
「ン……」
「今頃おまえ思惑通りなら――俺はあの女をこうして抱いていたんだな」
固い筋肉が僕を押し潰さない程度に
それでも十分きつく胸を圧迫する。
「いやだ……」
「嫌?」
考えたくもなかった。
僕だって本当は想像すらしたくなかった。
征司が僕以外の誰かを抱くなんて――。
「でも……跡取りが死んだから。もしかしたら僕のせいで」
いい子になるつもりはない。
ただ僕はマゾだから。
「あなたはそんな僕を助けたわけだから……それで……」
何かと理由をつけて
自分で自分を戒めるんだ。
「それで?俺に責任転嫁したわけか?」
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