125人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は首を縦にも横にも振った。
「だから言ったでしょう……僕はそんなこと何も考えちゃいないって……」
深層心理を探れば
もしかしたらそうだったのかもしれない。
でも表面だけ辿れば
僕のすることはいつもただ浅はかで馬鹿げてる。
「――言ったろ。能書きはもう沢山だ」
征司が目を細める。
馬鹿な子ほど可愛いとはこういう事なのか。
いつになく愛しげに僕の髪を撫で
「おまえのせいじゃない」
「え……」
征司は言った。
「おまえに人の命をどうこうできる力があると本気で思ってるのか?おまえにできることがあるとするならそれは――」
熱い吐息が囁く。
「これぐらいのことだ」
「ンアッ……!」
ベッドが軋んだ。
最初のコメントを投稿しよう!