episode243 破壊夜

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刺し貫かれるその瞬間は 今でもまだ怖い。 「ああ、クソ……温かい」 痛みが怖いんじゃない。 「征司……」 だからなんとも思っていない相手なら むしろこんな恐怖心は持たない。 「動く前から吸い付いてくるよ」 「言わないで……」 「おまえ――相当俺が欲しかったんだろ?」 「やだっ……いやっ……」 同化する肉体に流れ込んでくるのが 衝動的で薄汚い欲望だけなら――。 「泣くほど嬉しいか?」 「見ないで……見ないでよ」 どんなに簡単で どんなに気楽だろうか。 「僕の事なんか見ないで……」 涙がそそるのか。 征司の一部が僕の中でより熱くなって蠢く。 必死で顔を隠そうとする両手を 軽々と抑え込まれていた。
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