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「ンッ……ンッ……!」
後は手綱を握られた木馬のように
一緒に揺さぶられるしかなかった。
「もっと泣けよ。声を上げて泣け」
こんなはずじゃなかったという思いと
こうなって良かったと安堵する自分が
交互に現れては己を嘲笑う。
「ああ……ンッ……やだぁ……もうやなのっ……」
与えられる快感に逆らうべく
甘く駄々をこねると。
「何がいやだ?何がいやなのか言ってみろよ」
宥めるような柔らかい声が耳を撫でた。
「やめて……そんな風にするの……」
それでも
規則的な旋律は止まらなかった。
それどころか――。
「逃げるなよ。愛してやるから」
永遠にこの瞬間に留まるのが目的かのように
激しく躍動することも
力を弱めることもなく
「いやぁっ……」
征司は僕の身も心も乱し続けた。
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