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汗に濡れた喉仏が上を向く。
さすがに――僕と永遠になんてあり得ない話だ。
「アッ……アア……」
筋肉の躍動が静まるのと反対に
征司の鼓動は胸を突き破りそうなほど高鳴った。
身も心もすり減らし
僕の中へ熱いものを吐き出すために――。
「ほら……お兄様が悪い……」
生産性どころか
互いを傷めつけ
そしてすべてが無になった瞬間だった。
「和樹……」
征司は自分がした事にひどく落胆した
子供みたいな顔をして――。
ただけだるげに無言で
汗だくの僕の首根っこを抱き寄せた。
大丈夫。
本当は僕が悪い――。
言って背中に手を回してやりたかったけど
もう僕にそんな力は残っていなかった。
征司が僕の中で果てるのを見届けて
僕の意識はそこで途切れた。
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