episode243 破壊夜

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ベッドルームを抜けた時には まだ空は真っ暗だったのに。 リビングに移ると もう微かに東の空が明るくなって来ているのが分かった。 夜明け前だ――。 僕は昨晩ことりとシャンパンを飲んだテーブルで 冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターをグラスに注いだ。 まさに命の水。 一息に飲み干すと ボトルの残りを被るようにして顔を洗った。 と――。 「……ん?」 濡れた前髪を拭うその先に。 一冊のメモ帳が開いて置いてあるのを見つけた。 僕は近づいてそのページを手に取った。 『和樹へ――』 驚いた。 分身の娼婦からの僕へあてた短い手紙だった。
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