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『和樹へ
あんたって大馬鹿。
あの人がどんな立場であれ
2人の関係がどうであれ
あの人はあんたのこと
ものすごく愛してるのに。
あんただってそれに気づいてるくせに。
なのにあんたはあの人に私を抱かそうとした。
子供まで作れなんて馬鹿言って。
お金は惜しいけど
もう一人の男と寝るって話も断る。
彼があれだけ嫉妬するんだもん。
その人だってきっとあんたのこと
本気愛してるんでしょうから。
私は娼婦だけど人を傷つけるのは苦手なの。
顔は似ててもあなたみたいにはできない。
ことり』
なんだよ。
思わず口をついて出る。
「娼婦のくせに偉そうに……」
傲慢な物言いとは裏腹。
小さく鼻を啜る。
喉元まで熱いものがこみあげてきて困った。
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