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『P.S――紙袋の中見てごらんなさいよ』
下の方に小さな字で書いてある
追伸欄を読む。
「紙袋……?」
何のことを指しているのか
しばらく分からなかった。
考えるのも面倒だ。
重い身体を投げ出し斜めになって
椅子にふんぞり返る。
「あ……」
すると大きな花瓶の向こう。
テーブルの上に
あまりに無造作に置かれた紙袋が見えた。
確か昨夜。
征司がやってきてすぐ
テーブルの上に無碍に放り投げた物だった。
ことりが言ってるのは多分
存在すら忘れていたその紙袋のことだろう。
(一体……中身はなんだ?)
腕を伸ばしテーブルに身を乗り出してようやく。
僕は何の変哲もない茶色い紙袋を掴んで引き寄せた。
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