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「ダメッ……それはダメ……!」
泡を吹くように叫ぶ。
僕は奥歯を噛みしめた。
ことりは何度も首を縦に振っていた。
これでは征司の思う壺だ。
「そういうことだ。九条敬に種付を頼めよ」
無様な僕を振り向く
その傲慢な顔には憐みと可笑しみが同時に漂っていた。
「どうしてっ……!僕とあなたの間の話だろ……!」
僕は苛立ち
「もともとあいつの子が生まれるはずだった!それが死んだから今度は俺に跡取りを作れってか?」
征司はもっと苛立っていた。
「何が恩返しだ――おまえに似た女を孕ませるならどうしてあいつに頼まない?どうして俺なんだ?俺にはさんざん腐りきった本性をぶつけてきて、愛する男の前では取り繕って可愛いままでいたいって?」
「やっ……ああっ……!」
「そんなこと――許すものか」
征司は僕の上に覆いかぶさると
ふざけた玩具をまとめて乱暴に引き抜いた。
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