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「はぁぁんっ……!」
内臓を引き抜かれたような衝撃に
僕はベッドに突っ伏した。
それでも恥知らずはその衝撃で
またすっかり昂ぶって腿の付け根までを汚していた。
「違う……違うよ……」
両手で顔を覆う。
子供みたいな無垢な泣き声が出た。
「僕はただあの家の跡取りは本当に……お兄様の子がいいと思ったから」
快楽の重い波が感情を破壊する。
もはや人前であることさえ忘れて僕は泣きじゃくっていた。
「当主の子じゃなきゃダメなんだ!本当の当主の子でなきゃ――分かるだろ?」
僕は自分のしたことを
いやこれからしようとしていることを
何としてでも正当化する必要があった。
「僕は妾の子と言われて育った。言葉の意味も分からぬうちから自分は余計者だと知ってた。だからあなたの子……跡取りはどうしてもあなたの血縁をと思ったんだ。だって……当然ぼくがいなきゃそうなってた。あなたにそれができないのは……僕のせい……」
「黙れ!」
最後まで言わせなかった。
征司は手近にあった電気スタンドを力任せに投げ倒し
先発投手よろしく投球したスワロフスキーの置物で壁に大きな穴を穿った。
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