case1 小さな勇気

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case1 小さな勇気

「Guten Morgen.」 「……今日は、ドイツ語か。」 僅かに無機質な声で目を覚まされる。 「普通の挨拶は出来ないのか?」 「皆の言語教育の為なので。」 「たかが機械人形(オートマタ)のくせに、そんな事を考える必要なんてない。」 「“今”の時代では、多言語理解は必要な能力として……」 「その言葉は何度も聞いた。もういいから、他の奴等の所に行け。」 「………」 名残惜しげに、部屋から出て行く機械人形(オートマタ)。 俺の一日は、毎日こうして不快感から始まる。
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