6人が本棚に入れています
本棚に追加
簡易キッチンスペースのある設備抜群の教室で、俺はお湯を沸かした。
「お茶、紅茶、コーヒー、ココア。どれ?」
俺は素っ気なく、3人に背を向けたままで聞く。
茜は2人を席に座らせると、何がいい? と丁寧に聞き直した。
「あ、えと……」
「遠慮せんでええよ」
「じゃあ、ココアを2つ」
俺はコンロの上の棚からココアと紅茶のティーバッグを2つ出すと、今度はその隣の棚から4人分のマグカップを出した。
俺と茜はいつも使ってるマイカップ。2人には客人用の新品のマグカップだ。
2つにココアの粉を入れ、2つにティーバッグを入れる。
お湯が沸くのを待ってから、全てのマグカップにお湯を入れた。
俺はストレート、茜は角砂糖を1つ。
ココアを持って席に戻り、新入生2人の前に置いた。
「ありがとうございます」
「あ、ありがとう、ございます」
「ん」
俺はもう一度簡易キッチンに戻り、紅茶を取ると砂糖入りを茜に差し出した。
「サンキューな」
「ん」
皆がふーふーと飲み物を覚ましている音が部活に響く。
3人が飲み始める中、猫舌の俺は未だに紅茶を吹き続けていた。
「普段クールな京星の猫舌と言う意外な一面やな。ギャップ萌えってやつやろ?」
「知るか」
最初のコメントを投稿しよう!