6人が本棚に入れています
本棚に追加
普段クールな覚えもないし、ギャップ萌えとか意味不明だ。
茜は俺が紅茶を冷ましている様をニヤニヤと見ていた。
「あ、それで、普段どんな活動をしてるんですか?」
ショートボブ……卯月さんが尋ねて、俺たちを交互に見る。
茜は俺を見てきたけれど、紅茶を冷ますのに集中しているふりをした。
「普段は何もしやんな。たまぁにプラネリウム行ったり天体観測に行ったりしとったけど。……先輩が引退してからはいつもこんなんや」
こんなんや、のところで俺を指差してきたことには首を傾げたくなる。
俺は家に帰りたくないから時間つぶしのためにここに居るだけだ。
それにダラダラと過ごしても誰も何も言わない。
茜だって今日みたいに客人が来なければ、静かに寝かせてくれる。
茜も普段は静かに本を読んでいるし。
「割と自由なんですね。もっと色々活動してるのかと思ってました」
「希望があんのやったら聞ける範囲で聞くけど……。まぁ、普段はぐうたらやな」
ぐうたらやな、のところでいちいち俺を指差すなよ……。
俺はちろっと舌を出して紅茶を舐めた。
「あっつ……」
まだ冷まし足りなかったようだ。
俺はまた紅茶に息を吹きかけ冷ます。
最初のコメントを投稿しよう!