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「えっと、それで入部するにはどうすればいいんでしょう?」
入部届を出すだけだと思うけれど……。
それよりも本当にいいのか、このまま決めるのか?
そういいそうになった俺の口を見えない速さで塞ぐなり、茜は笑顔で笑った。
紅茶、零さなくてよかった。
「入部届、担任から貰わへんかった?」
「あ、いえ。名前、書くだけでいいですか?」
「うん。名前と部活名を書いてくれたら、俺が受け取るわ」
2人は本当に得体のしれない部活に入部するみたいだ。
まぁ、俺が口出すこと何もないけど。
面倒臭い。
そんなことよりも俺は紅茶が飲みたい。
俺は口をふさいでいる茜の手を叩く。
茜はあっ、という顔をして手を離した。
完璧に忘れてやがったな……。
俺はやっと飲めるまでに冷えた紅茶を飲みながら、入部届を書く2人を眺めた。
キラキラとした目は新入生ならではの瞳だよな。
あぁ、隣に座ってキラキラとした目で入部届を待っている奴は例外だな。
「出来ました」
「わ、私も」
「おぉ! 正式に入部、ありがとうな! ほら、京星も」
「……ありがとう……?」
何で疑問符付けんねん、と見事な突っ込みを入れてくる茜に、けれど俺は完全無視。
緊張でもしているのか、新入生2人は赤くなってモジモジとしていた。
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