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いつものように放課後が来て、いつものように部室に向かう。 けれどいつもとは違うことがあった。 それは卯月さんと松下さんが先に部室に来ていたこと。 茜と一緒に駄弁っていたことだった。 「あ、京星先輩! 遅いですよ~」 「掃除当番だった」 部室のドアを閉めていつも自分が座っているのとは違う、茜の隣の席に座った。 「なんか違和感やわ~。隣に京星が座ってるとか」 「俺もだよ……」 「席替えしたみたいで新鮮やな」 「……」 「え、あれ!? そんなことないか!?」 隣でギャーギャー喚く茜を無視して、俺はキッチンスペースに逃げた。 茜は喚きだすと煩いからな。 俺は昨日と同じ飲み物を用意すると、2回に分けて運んだ。 お盆ほしい。 「「ありがとうございます」」 「ん」 2人がマグカップをちゃんと持ったのを確認してから手を離す。 茜にもいつもの紅茶を渡すと、またさっきの席に座った。 やっぱり違和感がある。 とはいえ、確かに気分転換にはいいと思う。 茜の正面には松下さん。俺の正面には卯月さんが座っていた。 「そういえば先輩。宿題全部終わったんですか?」
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