5人が本棚に入れています
本棚に追加
いつものように放課後が来て、いつものように部室に向かう。
けれどいつもとは違うことがあった。
それは卯月さんと松下さんが先に部室に来ていたこと。
茜と一緒に駄弁っていたことだった。
「あ、京星先輩! 遅いですよ~」
「掃除当番だった」
部室のドアを閉めていつも自分が座っているのとは違う、茜の隣の席に座った。
「なんか違和感やわ~。隣に京星が座ってるとか」
「俺もだよ……」
「席替えしたみたいで新鮮やな」
「……」
「え、あれ!? そんなことないか!?」
隣でギャーギャー喚く茜を無視して、俺はキッチンスペースに逃げた。
茜は喚きだすと煩いからな。
俺は昨日と同じ飲み物を用意すると、2回に分けて運んだ。
お盆ほしい。
「「ありがとうございます」」
「ん」
2人がマグカップをちゃんと持ったのを確認してから手を離す。
茜にもいつもの紅茶を渡すと、またさっきの席に座った。
やっぱり違和感がある。
とはいえ、確かに気分転換にはいいと思う。
茜の正面には松下さん。俺の正面には卯月さんが座っていた。
「そういえば先輩。宿題全部終わったんですか?」
最初のコメントを投稿しよう!