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「2人は門限とかあるん?」 「私はないですよ。連絡さえ入れれば」 「私も、ないです」 茜は前に座る2人にいろんな話題を振って雑談に興じていた。 主にどうでもいいようなことを話しているのに、2人は茜の話に笑っていた。 俺は完璧に聞き役に徹して、自分からは話さなかった。ただ聞かれたら答えるだけ。 注文したケーキはすぐに運ばれてきた。 皆の前にそれぞれ注文したものが置かれると、手を合わせてから食べ始めた。 「んん~! 美味しい! ガトーショコラ最高」 「抹茶も美味しい」 美味しそうに食べる2人を、俺の隣に座る茜は嬉しそうにしばらく見てから、自分のケーキを食べ始めた。 俺もチーズケーキにフォークを入れる。 ふわっとしていてすぐに切れた。 「フルーツいっぱい! 美味すぎ……」 茜はいつもと同じようにケーキを頬張って幸せそうに笑っている。 その様子を何故か前の席の2人は頬を赤らめて見ていた。 「京星は? 美味いか?」 「ん。美味い」 こうやって聞いてくるのもいつものことだ。 「……何?」 俺は前からの視線に思わず首を傾げた。 「え? あ、いや! えっと……あ! そ、そのケーキ、美味しそうだなって思って」 何故か言葉に詰まりながらテンパっている卯月さん。 卯月さんの視線は俺のチーズケーキに向いていた。
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