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店を出て家に帰ると、誰もいなかった。 珍しい。 いつもは母さんがいるのにな。 俺は真っ暗な廊下を歩いてリビングに入ると、電気をつけた。 テーブルの上にご飯が用意されていた。 その横に書置きがある。 「友達と晩ご飯食べに行く約束してたのを忘れてました。ご飯は用意しておくから温めて食べて。」 「……えぇ~」 それって言い忘れられた俺より、約束を忘れられてた友達に対して酷すぎないか? 俺は部屋に着替えに行く。 それから手洗いうがいを済ませてリビングに戻った。 テーブルに置かれていた、タッパーに入っているお米を電子レンジに入れる。 肉じゃがも温めるか。 電子レンジが鳴ると、タッパーを出して肉じゃがの入った皿を入れた。 その間に冷蔵庫の中からお茶を出してコップに入れる。 ーーピー。ピー。ピー。 俺は電子レンジから出した肉じゃがとお茶の入ったコップを持ってテーブルへ行く。 「いただきます」 手を合わせてそう言うと、晩ご飯を食べ始めた。 さっきまで騒がしかったからか、今はとても静かでなんとなく、本当になんとなく、寂しいと思ってしまった。 俺は一体何を考えてるんだろうな。 俺はテレビを付けようか迷ったが、結局その静かな空間で晩ご飯を食べた。 片づけを終わらせてからリビングの電気を消すと、自分の部屋に戻った。
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