第1話『シガレッツ・アンド・リボルバー』

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アリナ「やめて……!」   空がにわかに暗くなる。   太陽に巨大な青い三日月が重なり、夏の空を塗り替えていく。三日月は非常なほど明るく輝く。 オーム「この不道徳ッ、嘆かわしいィイ! あーまーりーにーも、万死に値するううぅぅうううゥ! イヤハハハハハ、アッハハハハハハハハアハアハアハァ!!! みなさん始めちゃってェ!」   クレセントたちが一斉に三日月の剣を抜き放つ。うち数体はローブの内側から氷の粒を放つ。   氷の粒は膨張し、狼型や巨人型(約2.5メートル)の眷属に変わる。それら三十頭余り、クレセントたちとともに一斉に人々へ襲いかかる。   襲撃から逃れようとする人々の、悲鳴と怒号が飛び交う。   アリナ、オームに締められるアル太が顔を紫にしているのに気づく。 アリナ「オヤジ! はっ」   息が白い。半袖から露出した二の腕をさする。   大気中に青い煌めきが舞っている。オームのバックに、同じ青く煌めく三日月が浮いている。 アリナ「どう、して」   白い息を吐きながら、涙目で後退る。さっき落としたソフトクリームを踏んづけて尻もちをつく。ソフトクリームは冷気で固まっている。 オーム「愚か者よ。凍てつきなさい」     
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