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アリナ「やめて……!」
空がにわかに暗くなる。
太陽に巨大な青い三日月が重なり、夏の空を塗り替えていく。三日月は非常なほど明るく輝く。
オーム「この不道徳ッ、嘆かわしいィイ! あーまーりーにーも、万死に値するううぅぅうううゥ! イヤハハハハハ、アッハハハハハハハハアハアハアハァ!!! みなさん始めちゃってェ!」
クレセントたちが一斉に三日月の剣を抜き放つ。うち数体はローブの内側から氷の粒を放つ。
氷の粒は膨張し、狼型や巨人型(約2.5メートル)の眷属に変わる。それら三十頭余り、クレセントたちとともに一斉に人々へ襲いかかる。
襲撃から逃れようとする人々の、悲鳴と怒号が飛び交う。
アリナ、オームに締められるアル太が顔を紫にしているのに気づく。
アリナ「オヤジ! はっ」
息が白い。半袖から露出した二の腕をさする。
大気中に青い煌めきが舞っている。オームのバックに、同じ青く煌めく三日月が浮いている。
アリナ「どう、して」
白い息を吐きながら、涙目で後退る。さっき落としたソフトクリームを踏んづけて尻もちをつく。ソフトクリームは冷気で固まっている。
オーム「愚か者よ。凍てつきなさい」
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