第1話『シガレッツ・アンド・リボルバー』

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  青信号で、前の車が動き出している。 アル太「おほっ、ナイスボイス」   アル太の車もぶおん、と発進。   アリナ、歩道の小学生たちを冷ややかに見送ってから、視線を前に戻す。 アル太「何で悩んでるのか、パパにはわからない。話したくないなら話さなくていい。けどさ」   アリナは外を見ているが、耳だけは傾けているよう。吹き込む風が髪を揺らしている。 アル太「気晴らしの手伝いくらい、できるんだよなぁ」 アリナ「どうせまたオッサンがバンバンするやつでしょ」   アル太、タバコを咥える。 ○映画館・スクリーン   劇場入り口前に、古めの洋画の看板。「午前10時の復刻祭」というキャンペーン。   スクリーンで、オッサンの俳優Aがバンバン銃を撃っている。火のついたタバコを咥えながら。 アリナ「やっぱり」 アル太「わははっ。ここ、パパここ好き」   真ん中のほうの席で二人並んでいる。   アル太はご機嫌にポップコーンを頬張り、アリナは頬杖をつきつつ飲み物のストローに口をつける。 俳優A「祈れよ。地獄に落ちても知らねぇぞ」 俳優B「おた、お助け……」   アリナ、あまり気乗りしない様子。ぼんやりした顔がスクリーンに照らされている。     
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