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青信号で、前の車が動き出している。
アル太「おほっ、ナイスボイス」
アル太の車もぶおん、と発進。
アリナ、歩道の小学生たちを冷ややかに見送ってから、視線を前に戻す。
アル太「何で悩んでるのか、パパにはわからない。話したくないなら話さなくていい。けどさ」
アリナは外を見ているが、耳だけは傾けているよう。吹き込む風が髪を揺らしている。
アル太「気晴らしの手伝いくらい、できるんだよなぁ」
アリナ「どうせまたオッサンがバンバンするやつでしょ」
アル太、タバコを咥える。
○映画館・スクリーン
劇場入り口前に、古めの洋画の看板。「午前10時の復刻祭」というキャンペーン。
スクリーンで、オッサンの俳優Aがバンバン銃を撃っている。火のついたタバコを咥えながら。
アリナ「やっぱり」
アル太「わははっ。ここ、パパここ好き」
真ん中のほうの席で二人並んでいる。
アル太はご機嫌にポップコーンを頬張り、アリナは頬杖をつきつつ飲み物のストローに口をつける。
俳優A「祈れよ。地獄に落ちても知らねぇぞ」
俳優B「おた、お助け……」
アリナ、あまり気乗りしない様子。ぼんやりした顔がスクリーンに照らされている。
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