第1話『シガレッツ・アンド・リボルバー』

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  あくびが出て、目をこする。まばたきを繰り返す。   次第にまぶたが重くなって、目を開けられなくなる。   (アリナの回想が細切れに再生される) ○小学校の教室   の後ろのほう。   アリナと女子三人が口論。三人のうち、真ん中の子が涙を溜めている。クラスの子供たちが野次馬になって囲んでいる。   アリナが怒声を発すると、真ん中の子が泣き崩れる。他二人が介抱し、アリナをにらみつける。   周りの冷たい視線にさらされたアリナは、怒りながらも不安そう。 ○生徒指導室   担任の女性教師が、テーブル越しにアリナ、及び女子三人と話している。   明らかにアリナが責められている。泣いた女子以外は勝ち誇ったような顔。 ○教室   放課後、夕暮れ。   アリナはひとりぼっちで座っている。「反省文」と書かれたプリントに鉛筆を走らせている。   目に涙を溜め、唇を噛んで、筆圧の強い字でガリガリと。   泣いた女の子、クラスメイトの冷たい視線、担任の説教がフラッシュバックする。   右腕が震えて、鉛筆の芯が折れる。   目から涙が落ちそうなのを袖で擦り取って、またガリガリと書きつける。   またフラッシュバック。皆が口を揃えてアリナを責め立てる。     
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