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ソフトクリームをひとすくい、口に運ぼうとして止める。アル太へ体を向けて、食べさせてあげようとしたが、
アル太「ん~。おっかしいなぁ」
アル太、首を前に伸ばし、車列の先を覗こうとしている。またタバコを咥える。
アリナ、スプーンを自分の口に持っていく。アル太の視線の先を見ると、青信号になっていた。
車が進まない。
アリナ「事故?」
周りの車から、ぱらぱらと人が降りているのがわかる。皆が交差点の上空を見てざわついている。スマホを構える者が何人かいる。
人々のざわめきが聞こえる。そこかしこでクラクションが鳴っている。
アル太「待ってて」
アル太、車を降りる。空を見上げると、交差点の上空に何かを見つけてハッとする。
後ろの車列からも人が降りてきていて、前方に歩いていくのが見える。
アリナ、不安ながら自らも車を降りる。アル太の後ろにつく。
アル太はアリナが来てるのに気づいて、手をつなぐ。
手庇をつくって空を見上げ、
アリナ「なに……あれ」
青空をバックに、ローブをはためかせて浮遊する人影が十数体。
彼らが侵略者クレセントである。白いローブと頭の上半分を覆うマスクが特徴。マスクは無地の紫。
クレセントは円になって外側を向き、ゆっくり降下してきている。音を立てない。
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