灯台守の少女

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 朝日の中、小さな港から次々に沖へと滑り出していく船を、少女はいつものように見送った。  そしてこれもまたいつものように、古い灯台の中へ入っていく。  歳の頃は十二、三。長い栗毛を頭の後ろで一本の三つ編みにしている少女は、この灯台の灯台守だった。先代の祖父の跡を継ぎ、毎日灯台の世話をしている。  家は灯台のすぐ近く、木でできた小さなものだ。両親は既に亡く、以前は祖父と二人で暮らしていたが、今は一人。
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