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海の傍にあって潮風をもろに受ける建物はしょっちゅうあちこちに不具合を起こす。そういう時は船乗りのおじさん達が来て、色々手助けしてくれる。食べ物や燃料を分けてくれるおばさん達もいて、少女の生活は彼等の支援で成り立っていると言ってもいいくらいだった。
小さな港町の住人は皆親切だ。祖父が亡くなった時、少女を迎え入れたいと申し出てくれた人達もいた。
彼等の心遣いは嬉しかったけれど、少女はそれらを断った。
この場所に居続けたい、理由があるから。
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