愛という名の感情

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愛という名の感情

雪の日のプロポーズから二年、私達は夫婦として順風満帆な生活を送ってきた。 出会って四年。付き合って二年どれほどこの時を待ち望んだことか私にはわからない。 そんなことを考えているとマンションのインターホンが鳴った。 正博さんが帰ってきたのだ。私はおかえりなさいとインターホン越しに彼を見ながらそう言って、エントランスを開ける。 ……ねえ、正博さん。貴方は愛と憎悪は表裏一体って言葉知ってるかしら? きっと貴方は知っているはずよね?だって貴方は博識なんですもの。 でも、そんなことが実際にあるなんて思ってはいないんでしょう? 実際にあなたの隣にいるんですよ?気が付きませんか? 貴方をとても愛し、またとても憎んでいる私………知りませんか? 愚問ですね……知らないですよね。 だって私はとても巧妙にその事実を隠しているはずですもん。私、昔から本心を悟られないことだけには自信があるんですよ。 玄関が開いて私がこの世で最も愛する人が姿を現す。 どんなに夜が遅い日でも 例え貴方に殺されようとも 世界の終わりが来たとしても 私は愛する貴方を待ちましょう 笑顔の裏に(憎悪)という名の(感情)を隠して 今日も私は貴方を待ち続ける 「おかえりなさい、正博さん」
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