待ち望んだことを知らない

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道中、周りを見渡せば戦闘服の男が一人で歩いていたり、家族づれで歩くものもよく見えた。 私達は何気ない雑談を交わした。今日の晩ご飯は何にしようか、子供は男の子と女の子どちらが先が良いか、近所の奥さんの話、未来の話など。 ー駅前ー 戦闘服を着た男以外の者は駅の改札口までの見送りしかできないこととなっている。 そして、多くの人がここで声援を送ったり接吻を交わしたり、約束などをする。 「また、行ってしまうのですね」 「あぁ」 「今日も晩ご飯に腕によりを掛けて待ってますね」 そう言うと旦那様は私を抱きしめ、いきなり接吻を交わした。 私がこんな情熱的な旦那様を感じるのは初めてのことだった。 「夏菜子、どんなに遅くても年が経っても俺を待ち続けてくれるか」 私はその旦那様の言葉に少し顔を赤らめ口をもごもごさせた後旦那様の顔を見て応えた。 「もちろんでございます、私の旦那様は貴方ただ一人ですもの」 私の言葉に嬉しく思ったのか安堵したのか、旦那様はありがとうと少しはにかんで列車の中へと消えていった。
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