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夜、あれだけ地面を叩いた雨はもう上がっていた。
線路のずっと向こう、靄に沈むマンションやアパートの群れ。
あの細切れになった光の中一つ一つに人がいて、それぞれの生活がある。知っていても、想像することは難しい。
彼らだって、線路沿いをとぼとぼ歩く私の生活に想いを馳せたことなんてないだろう。
お互いそんなものだ。
その程度のものだ。
むしろ気にして欲しくもない。
思いやりは悲しい。気遣いは痛い。
無関心は優しい。
私は、異常だろうか?
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