Episode3-竜の潜む渓谷と陸鳥の王者-

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 トランジス伯爵が治める領地である街、フォーリン=オーズ。この人通りの多い物流の街の大通りを歩く2人の男がいた。  片方の男は背が高く、短い黒髪をピシっと整えた男。革と鉄で出来た軽装備に身を包み背中には弓と矢を収めた矢筒を背負っている。そして腰には様々な物を入れるためのポーチと短剣を3本ほど下げていた。  もう片方の男は背は低めでまだ顔にあどけなさを残した少年。所々はねている青黒髪と大きな目が印象的であり革と何かの生物の鱗のようなもので作られたスケイルアーマーを着用している。腰には小さめのポーチと長剣を挿している剣士だった。  2人は並んで道を進むと、ある小さな酒場の中へと入っていった。  そして店内を見渡し、4人席の場所で本を読んでいる眼鏡を掛けた青年を見かけると声をかけると同時に同じ席に着いた。 「おうカーマイン。調子どうだ?」 「こんにちは、カーマイン」 「どうもセオルグ、コナー。調子はまずまずといった所ですかね」  先に席に着いていた眼鏡の青年はカーマインと呼ばれ、弓を背負う男はセオルグ、剣士の少年はコナーとそれぞれ呼ばれた。
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