第三話

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()の御酒もその者から頂いたものゆえ」 小夜里はそう云って、ふっくらと微笑んだ。 その頬は花が咲いたように、(ほの)かに色づいていた。 民部も、切れ長の鋭い目を細めて頬を緩めた。 手にした猪口(ちょこ)をじっと見つめ、そして一口、くっと呑んだ。 それから、喉を通っていく地酒をじっくりと味わった。
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