ガジュマル、笛、氷砂糖、キス
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後部デッキで横笛を奏でていると、小雨がパラパラと降ってきた。天気雨だった。 雨が降ると、僕は濡れることも厭わずいつも空を見上げる。そのたびに、あの南の島で体験したスコールのことを思い出す。 そして、ダクリのことも。 肩を震わせ、大粒の涙を流す儚く美しい彼女の姿。濡れた蒼い髪に白い肩。僕の脳髄は、今でもあの光景を鮮明に記憶している。 これから、会いに行くのだ。
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