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「ねぇ、柚季くん。ボクらとサッカーしない?」
クラスメートの男子生徒三人組が、サッカーボールを持ちながらオレに声をかける。
「―悪い。あんまサッカー好きじゃないんだ」
「そっそっか」
「じゃあまた明日ね」
「ああ」
三人は肩を落としたが、そのまま教室を出て行った。
「はあ…」
教室に残っているクラスメート達の視線が煩わしくて、オレはランドセルを背負うと足早に教室を出た。
この街に引っ越してきて二週間が経った。
父親が転勤族で、物心ついた時には全国をあっちこっち移動していた。
けれど三ヶ月前、海外へ出張することが決まった。
期間は三年、しかし海外へオレを連れて行くことを躊躇った親父は、実家の両親-オレにとっては父方の祖父母の家に預けることにした。
祖父母は元気で、とてもオレのことを可愛がってくれる。
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