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第1話 万引き中毒
「はあ……」
大きなため息をつきながらコンビニから出てきたのは、水谷幸徳。
ポケットに手を突っ込んで、静かに歩みながら、再びため息をつく。
「はあ……」
またやってしまった。僕は何度やれば気がすむのだろう。
幸徳がポケットから手を出すと、一本のボールペン。幸徳は万引きをしたのだ。
決して、生活が貧しいわけではない。しかし、どうしてかやってしまうのだ。癖になっているのかもしれない。
幸徳は考える。あれは、中学一年生の時のことだった。
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