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重い気持ちを引きずりながら、会社をでると涼真が外回りから帰って来るところだった。
気まずくて、とっさに俯いてしまって、また自己嫌悪におちいる。
どうしてこうなの?私って。
付き合うということから、長い間離れすぎていたせいもあり、付き合うという事がわからない。
「ちな」
その言葉に私はそっと涼真の顔を見上げた。
涼真はそんな私の顔をみると、悲し気に笑った。
「ちな、ごめんな」
なんで涼真が謝るの?
何も言えずにいる私に、涼真は小さくため息をつくと、私に問いかける。
「報告だけしたら俺も帰るから、少しあそこのカフェで待てる?」
一緒にいたい気持ちと、ぐちゃぐちゃの気持ちが交差するが、私はなんとか頷いた。
「じゃあ、少しだけ待ってて」
そう言うと、涼真は急いでビルの中へと入っていった。
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