ただの同期

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「俺が一緒に行ってやるよ。ちなの彼氏として」 涼真の言葉がふわふわと聞こえる。 「えー。涼真が?」 ふふふと酔っぱらいながら目の前の涼真を見る。 「そう」 「かわいそうな私の彼氏になってくれるの?なんと結婚式はクリスマスだよ?それでもいいの?」 ぼんやりとした頭で、それだけを聞くと、涼真は「俺はいいよ」そういってニコリと笑った。 あー、なんか幸せ。 この日だけ、涼真は私の彼氏。 その響きが嬉しくて、私は笑顔になる。 「嬉しい。じゃあ、涼真は私の彼氏ね……?」 そこまで言ったところで、急に睡魔に襲われる。 「おい、ちな!ちーな」 遠くから聞こえる、涼真の言葉に私は夢見心地で意識を手放した。
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