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美耶子と一緒に会社の近くのイタリアンのランチに並びながら、私はぼんやりと空をみた。
「ねえ、千夏。また考えてるの?」
「え?そんなんじゃ……」
ずばりと言われて、私は小さく声を濁した。
「もうさ、違う男をみなさいよ」
言葉は冷たく聞こえるが、愛情いっぱいの美耶子に私も「そうだね」と言葉を返した。
「高遠はさ、なんていうのかな……私達には手に負えない?そんな気がしない?」
「そうだよね」
確かに万が一付き合えたとしても、いつもふらふらとどこかに行ってしまいそうな上に、いつも他の女に告白ばかりされる彼氏は私には無理だ。
そこで順番がきて、店内に入り、私はなすとトマトのパスタのAランチを、美耶子はジェノベーゼのパスタのBランチを頼むと、水を一口飲んで一息つく。
「それに、千夏は告白するつもりもないんでしょ?」
美耶子の言葉に、私は頷いた。
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