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「今の距離が居心地がいいし、告白して気まずくなるのも嫌だしね」
仲の良い同期という今のポジションはとても心地がいい。
後輩や告白する女の子たちより、少しだけ近い位置にいる気がして、それだけで嬉しくなってしまっている。
「同期だからね」
美耶子の言葉に、その通りだと思う。
「いっそ、涼真が本命の彼女でも作ってくれたら、諦められるのにな」
呟くように言った私の言葉に、美耶子は顔を歪めた。
「それはそれできっと傷つくくせに」
「そんなこと……」
あるな。
自分でも泣くだろうなと思い、大きなため息をつく。
でも、涼真が特定の彼女を作らないからこそ、この安心ポジションが心地よくて、他に目がいかない気もするし……。
こんな不毛な事をもう何年もしている私は、どうかしているかもしれない。
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