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「り……」
すぐに呼ぼうとして、振り返った時には、他の女の子が涼真が座った席の周辺にいて、誰がそこの席に座るかともめている姿が目に入った。
「もうやだ……」
泣きそうになり、私は手で顔を覆うとグッと涙を我慢する。
不安になる原因も、もう一つあるのもわかっていた。
付き合って以来、涼真はキス以上してこない。
周りにいる子たちの方が魅力があるのかと、不安になってしまう。
付き合ってみたものの、本当はこんなに可愛くなくて、素直じゃない私が嫌になったのではないか、だから手も出されないのかもしれないと不安が襲う。
同期のときは喧嘩なんてしたことがなかったのに……。
「千夏……」
さすがに美耶子もこれはまずいと思ったのか、掛ける言葉が見つからないようで箸をおいた。
「ごめん……」
何とか気持ちを立て直すと、そう言って美耶子を見た。
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