ただの同期

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ただの同期

「近藤!申し訳ないんだが、この件急ぎで頼めるかな?」 隣の部署の営業企画部の課長のその言葉に、私は課長の手元を見た。 「もちろんです。珍しいですね。課長が急ぎの案件なんて」 微笑みながらその書類を受け取ると、課長をみた。 「ああ、休み前にどうしても部下の初めての案件を週明けの合同会議にだしてやりたくて……。近藤にはいつも真ん中に入ってもらって悪いな」 部下のための物だと分かり、私はニコリと笑顔を向けた。 企画で上がってきたものを、私のところで具体的なコストや類似のデーターなどを収集してから会議にあげる。 一応、営業部の所属だが、企画営業の仕事も兼任と言ってもいいかもしれない。 本当は、今日は仕事も山積みだが、課長の想いもわかり今はやるしかない。 「それが私の仕事ですから。なるべく急ぎますね」 そう言うと、課長はホッとした表情をみせて、お礼を言うと自分の席へと戻っていった。 「ねえ、千夏。私は水田課長の方がおすすめだな」 美耶子の言葉に私は、苦笑した。
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