同期って何ですか?

1/14
2732人が本棚に入れています
本棚に追加
/105ページ

同期って何ですか?

「千夏、お昼行こうか?」 美耶子の言葉に、私も小さく頷いて書類を片付ける。 「今日は社食でいい?少し忙しくて」 私の言葉に、美耶子は笑顔を向けた。 「うん、もちろん」 たまに外に行くこともあるが、うちの会社の社食はおしゃれな雰囲気で、種類も豊富でお値段も安いのでよく利用する。 ほぼ満席のようだが、なんとか席を確保して一息ついた。 「近藤?ここいい?」 その声に、見上げると水田課長と、後輩の男の子が席がないようでトレーを持って立っていた。 「もちろんです。どうぞ」 そう言葉をかけたところに、美耶子も水を持って戻ってきた。 「あっ、課長お疲れ様です」 少し微笑みを浮かべて言った美耶子に、水田課長もにこやかに微笑んだ。 美耶子は私に課長を進めるが、課長は私より美耶子の方がタイプだと思う。 以前課長と噂になっていた人も、クールなタイプの人だったしね……。 というか、その後その人とはどうなったんだろう? 彼女がいるのかもしれないじゃない。 目の前に楽しそうに話す二人を見ながら、黙々と私はサバの味噌煮を口に運んでいた。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!