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そもそもジョナサンは桃色の王子を知らなかった。
っていうかどうでもよかった。
有志が集まって何かをするという。となると気になるのはうちの非常識の存在だった。
ユノは、みょうちくりんな格好で劇場前をテトテト歩いていた。ルルコットは青かった。
「あ、先生こんにちは」
「何だか色々言いたいんだがな。その衣装は何だ?」
はい。エヘン。何か胸張って言った。
「赤鬼です」
なんとも可愛いちっこい赤鬼の姿があった。
「それで、赤鬼が何するんだ?」
「続帰ってきた泣いた赤鬼です」
「帰ってくんのかよ!赤鬼が!泣いた赤鬼は知ってるよ。泣ける話だったな」
友達が欲しい赤鬼と、友達思いの青鬼の献身が肝の童話で、いつもの賢人アライダー・ファーストエビルの本にあった。
「帰ってくるのは青鬼です。暗黒面に落ちました。普通の泣いた赤鬼はおさびし村では物足りないようで、村ではこれが人気です」
「暗黒面に落ちた青鬼が俺だ」
お前元々青いじゃねえかスライム。ていうか泣ける要素はどこに消えた。
「屋外の舞台でやります。大スペクタクルです」
「おう。暴れまくってやるぜ」
舞台壊すなよ。観客に怪我人が出ないのを祈るしかなかった。
家族寮に戻ると、中はダークピンクに染まっていた。
「お前等何してんだあああああああ!」
「お帰り。ちょっとだけよダーリン」
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