始まる文化祭

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慰めて欲しい。あっちの方で二人っきりで」 「何言ってんだお前」 「道理にもとりますわ!不倫は!不倫なんか。あのーー先生?」 不安そうに見上げんじゃねえよ。 「どうしよう。優勝を疑わなかったのにな」 「いいじゃない。贅沢言わないの」 「何だかよく解らん結果になったな。あの女が飛び入りで入っていたとは」 魔王が何となく結果を見上げていた。 「魔王。お前頑張ったじゃねえか。食堂のばあさんの安定感凄いな」 「私が出張ったのだ。当然の結果であろう。それよりも副業がだいぶ儲かった」 「副業?お前のビミサン焼きそばか?」 夏休みに食った焼きそばは確かに美味かった。 「そうではない。貴様のやったプログレバンドだ。私の開発した機器を限定発売したのだ。録音した音を再生する蓄音機だ。飛ぶように売れた。貴様の曲は一定の評価を得た。中々のリュートであった。6弦のギターに興味はないか?」 「今更何言ってんだ。もう演奏はーーっておい!売れたんだな?!俺の取り分は?!」 「ちっ。細かい奴だ。上がりは折半にしてやる。あとで取りに来い。最低でも100万ループくらいだ」 「100万?!ヒャッホーウ!フラさん!温泉行くぞ!全部パーっと使っちまおう!」 そう言って、フランチェスカを抱き上げた。 優勝出来なかったが思わぬ収入があった。
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