始まる文化祭

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いまいち釈然としない勝利に、勇者夫妻は湧いたのだった。 そして、すっかり常連となったリゾート温泉のロイヤルスイートに、ジョナサンは1泊することになった。 するべきことは明白だった。故に濁り湯を選んだ。プライベート温泉の中で、ジョナサンはフランチェスカの準備の完了をそわそわしながら待ちわびていた。 準備は万端整っていた。ベッドにはタオル生地のシーツが敷いてあり、例のくまさんの衣装もあった。 「まーだですかー?!フラさん!フラさあああああん!俺もう限界ですよ!うおおおおおお!」 「解ったわ。お待たせ」 バスタオルを巻いた最高の経産婦の姿があった。 「フラさん!フラ子さん!フラ美ちゃん!ヒャッホーウ!」 水面を叩くどうしょうもない勇者の姿があった。 フランチェスカが、ゆっくり入ってきた。 お湯を吸い込むバスタオルから垂れる濁り湯の白濁した水滴は、彼女の太腿を這い、彼女の肌をきめ細かく包み込む。温泉効果最高。嫁最高。嫁超最高。 フランチェスカがジョナサンにもたれかかった。 背後から腕を回し、あすなろに彼女を抱きしめた。 「今日はゆっくりしましょう。楽しみね。貴方」 「うん!うん!でも何で?ステラも一緒なら良かったのに」
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